日記
2009年1月12日(月)
伝説の爺
久々の日記。
 
 
うちの港に、体の調子が良ければほぼ毎日船で釣りに行くお爺さんがいる。
 
去年のクリスマス前だった、事件は起こった。
その日も変わりなく出船の準備を終え、前日良かったと聞いたアジの爆釣予感に胸を躍らせそそくさと港を出た。
9馬力の船外機の付いた小さな船である。
 
 
ポイントに着き、
1流し目食わん、2流し目・・・食わん、3流し目・・・・・食わん・・。
 
こんなはずは無いと、山立てをしようと辺りを見回した。
潮上からは、でっかい流木が流れてきている。
 
ん? んんんっ?  流木じゃない。  
4匹のイノシシが泳いできている。  しかもデカイ。
 
ドクン、  ドクン。  その爺さんは久々に興奮した。
 
そして何を思ったか、船にあった50cm程の棒を手に取り、「・・・行けるっ!」 とうなずいた。
 
そして、近づいてきたイノシシに力いっぱい棒を振り下ろした・・・・。
 
‘コォーン‘ と頭から棒が跳ね返ってきた。   どうやら全く効いてない。
 
腹が立ち、船をイノシシに突っ込んで、もう一発お見舞いした。
1回目よりも感触は良かった。
 
・・・・・すると・・・・・・イノシシは怒った。   逆鱗に触れてしまったらしい。
とにかくものすごく怒った。
目と目が合ったまま、船に向かってまっしぐらに泳いできて、船に登ろうとしている。
 
‘ガリガリ‘ 爪が船べりに掛ると、船が一気に傾いた。 爺はこのままじゃやばいと思い、必死で爪を何度も蹴った。
 
バチャっと海に落ちると、イノシシはまた岸に向かって泳ぎだした。  
 
 
・・・・闘いは終わった。
 
その日から爺は全然釣れない日が何日も続いたと言う・・・。
 
 
 
 
 
 
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Last updated: 2010/3/23